ボルテックスガスケットによるすき間腐食

このところ機器・配管の脱着ばかりやっていることもあって、やたらと目につく鋼の腐食(錆)。事故などの外力や溶接による残留応力等による物理的破壊ではなく、水や酸素との反応による化学的破壊(破壊なのか、あるべき姿に戻るのか…)は、時間をかけて徐々に進行してゆく劣化であり、オジサンとしてはまるで己の行く末を見るかのような思いで眺めてしまうのですが…。やたらと目につく理由は実はそのへんに―視覚的物理的ではなくホルモン的化学的な(?)―あるのかも知れません(何を言ってるのやら)。
で、今日はボルテックスガスケットによるすき間腐食です。

画像「ボルテックスガスケット」は一般名うず巻き形ガスケットと呼ばれるセミメタリックガスケットで高温高圧に使用できしかもシール性に優れた高性能ガスケットでありバリエーションも豊富で配管や機器などの広範囲の分野で使用され…なんていう解説は省略しますが、写真は内外輪付きボルテックスの内輪が鋼製フランジのシート面とのあいだにつくるすき間で発生した腐食です。

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画像内外輪付きボルテックスの断面形状はこんな具合。断面図だけ見れば外輪側も同じすき間をつくるように見えます。しかし外輪側は外気と接しますから、通風による乾燥で腐食度が小さいのだと考えられます。








そもそも内輪は、ボルトの締付け圧力によるガスケットの変形(内径側への変形および座屈)を防止するための補強材です。いっぽう、外輪は内輪同様補強材として機能するほかに、ガスケットをフランジにセットする際に適切な位置になるよう、センタリングの役目を持っています。
つまり内外輪は「物理的」損傷への備えであるわけです。

これに加え内外輪の材質が「化学的」劣化に対抗します。つまり鋼製フランジの場合は内外輪鉄、SUSフランジの場合は内外輪もSUSが基本です。

けれどもすき間腐食は異種金属接触で加速するわけで、同じ「鉄鋼」でも成分が異なればそこにはイオン化の貴卑が生まれるのです。そうして腐食が進むとぽろりと崩れて配管内流体に落ち込み以降のフィルターやポンプといった機器に混入し、機器損傷・故障の原因となり…。

この部分の非破壊検査方法がないわけではありません。フェーズドアレイ超音波探傷器を使った例はこちら( →
オリンパス株式会社HP  http://www.olympus-ims.com/ja/applications/crevice-corrosion-testing-sealing-surface-flanges/ )。
ただし、塗装の剥離からはじめなければなりませんから手間とお金がかかります。設備を停めてフランジ開放できる機会があればそのときに実際に目視するのが一番いいのです。

そんなわけで何だか疲れちゃったオジサンも仕事を休んで人間ドックにでも行ったほうがいいのです。でも人間はパーツの取替えが困難ですからね。普段からの肉体的精神的メンテが必要。




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