フランジ締結ボルトの異種金属接触腐食(その2)

昨日の続き。


昨日の写真では、アルミめっきフランジと亜鉛めっきボルトが接触して、亜鉛めっきボルトが錆びていました。イオン化傾向の順番を思い出せばアルミ>亜鉛>鉄と並びますからボルトのほうが錆びているのは逆ではないだろうか。

ということでよく観察してみると、めっきボルトの発錆部位は締結時にスパナを噛ませた部分とか、ナットを締めこんだ際に擦られたねじ部ではないかと推察できます。つまりは「異種金属接触腐食」ではなく、単なる鉄鋼の腐食(酸化)なのだと。

鉄鋼製品に溶融亜鉛めっき(ドブめっき、天ぷらめっきとも)を施すと、腐食環境下では電気化学的に卑な金属である亜鉛が鉄より先に溶け出し、結果的に鉄鋼の腐食を防止する犠牲防食作用が生じます。加えて、亜鉛が錆びる(酸化する)ことによって緻密な錆びの皮膜(不動態皮膜)が生成し、この皮膜が亜鉛表面の腐食の進行を遅延させ、さらに鉄鋼製品を腐食から遠ざけるという効果もあるのです。
一方、亜鉛めっきはコストの割に優れた耐食性があるけれども、めっき厚が不均一です。そうしてスパナによる締め付け時に打撃スパナなんぞ用いると亜鉛めっきが傷つき、鉄がむきだしになってしまう、つまり非防食エリアが現出してしまうわけです。

なので、めっきボルトの締結は慎重にやりたいところ。でも現場では平気でインパクトレンチを使うし、それはプラント配管のみならず建築鉄骨でも同様です。ただし建築鉄骨は異材の繋ぎがあまりありませんから。

画像さて、ではこちらの写真はどうかというと、これはステンレスフランジにめっきボルトで、めっきボルトが錆びています。

いずれにしても、配管フランジ本体ではなく、交換し易いボルトの方が錆びる分には問題が少ない。ボルトが錆びるままに任せてあるかのような現場フランジはそういう理由でいつまでも放置されているのでしょう。ただし、錆が進行しすぎるとナットが外せないほど強力に固着してしまい、最悪ボルトを切断しなければならなくなってしまいます。あるいはナットやボルトヘッドが錆びで膨れ、スパナが入らなくなる可能性もあるのです。
次の開放時期にそんなめんどくさいことに関わらずともいいように、腐食ボルトは早めに交換しておきたいものです。

すみません、今回はまとまりが全くつかない内容になってしまいました。言いたかったのは、異材の接触部での腐食が必ずしも「異種金属接触腐食」なのではない、ということ。




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この記事へのコメント

ばふ
2013年10月27日 23:33
画像見ての感想ですが、プラグはSUSでしょ!
あと、EL+直管のSHOP溶接部の余盛具合は好みで
FLGの隅肉は、いかにもプラントメンテの電気屋が
盛ったって感じののど厚具合。
ちなみにオイラの現場でこのボルトの長さと向きで
組んであったら速攻やり直しです。
天使
2013年10月31日 20:30
鋼の腐食(酸化鉄の析出=さびる)は不思議な事が多いので面白いですね。工業地帯では直接雨に当たらない所にある金属より、雨に洗われる金属の方が腐食しない事があります。これは大気中のSO4(硫酸)達が金属表面に付着し、腐食を促進しようと思っても、雨で洗い流されるためだと考えられています。農村では優等生の亜鉛メッキ鋼も工業地帯では耐候性が低下します。鉛はその逆で工業地帯では硫酸鉛の保護膜を形成するので、優等生です。工業地帯にもかかわらず亜鉛メッキの鋼製品が使用されているのは、私にとって大きな謎です。
niwatadumi
2013年11月02日 21:16
ばふさん、写真だけでは判らないことも多々ありますから。
niwatadumi
2013年11月02日 21:22
天使さん、腐食は難しいですね。鋼の腐食と秋の空、ってかんじ。

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