中沢けい「楽隊のうさぎ」読了

小説家・中沢けい さんは高校の先輩なのだけれど、処女作「海を感じる時」の後の作品は読んでいなかったのです。いや、「野ぶどうを摘む」は読んだ気がするけど内容が思い出せません…。10年以上前の作品である「楽隊のうさぎ」を今になって手にしたのは、この小説が楽器の街・浜松(あ、バイクじゃないんだ…)を舞台に映画化されると耳にしたから。動機は単なるミーハーなのでした。

さて読み終えてまず感じたことですが、文壇デビューから20年以上経て書かれた作品はやっぱり処女作とは違いますね。文章に険がなく、文脈に内包された信じているものへのこだわりや、それらの押しつけは「純文学」だけにうっすらと感じられるけれど、終始穏やかに滑らかに綴られていました。と、読む方も同様に昔とは感じ方が異なりますからね。
お互いにいろいろな人生経験を経て、知らず変わったところもあるのでしょう。
読書の良いところは自分の成長につれ感じ方捉え方が進化するところだな。

それはそれとしてこの作品、極めて日本映画らしい映画になりそうな気がします。

僕はアメリカのSFやサスペンス、冒険ものといった、深く考えなくていい映画が好みで、逆に観る側に思考を要求する邦画の傲慢さが好きではありません。アタマが良くなきゃ鑑賞できない映画なんて、というのは単なるヒガミかもしれませんけど。

というわけで、小説自体は読後感爽やかで、重苦しくなくて良かったです。部活動でブラスバンドをやってなくても、クラシック音楽を聴く習慣がなくても、中学時代を経験した人ならば読んでみて何か胸に残るはず。僕は続編も読もうと思います。
映画は…どうかな、家内はともかく、ムスメは主人公と同じ中学生ながら「俺妹」や「レールガン」だからなぁ…。

なお、読書感想文みたいな日記をタイピングしていたら、三十数年前、木造校舎の片隅にあったウナギの寝床のような文芸部の部室を思い出しました。先日はニセアカシア並木でした。次は何を思い出すかな…。





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この記事へのコメント

大魔王
2013年05月17日 22:31
近々の想い出といたしましては,青森山田の制服あたりはいかがでしょうか。
niwatadumi
2013年05月19日 19:54
大魔王 さん、こんばんは。
その思い出は報告書作成作業の大変さにまぎれてすっかり消えてしまいました。また、報告書の何が大変だったか、忘れつつあります…。
天使
2013年05月21日 19:10
ご無沙汰しております。
ハリウッドの映画もそれなりに面白いのですが、詰めが甘いので、後味が良くありません。その点、街中で警察官がショットガンをぶっ放す日本の映画は後味に良さがあります。しかし例外もあり、宇宙人ポールと言う映画はハリウッドですが、ハトを蘇生させるシーンは秀逸ですし、後味も悪くありません。いずれにしろ「楽隊のうさぎ」は面白そうです。
niwatadumi
2013年05月21日 21:39
天使 さん、邦画はメンドクサイ。僕はなぁーんも考えずに楽しめる映画が好きなのです。したがって純文学よりも娯楽小説、よりもマンガ。でも純文学も読むのはたまにアタマとココロを働かせないとホントのバカになっちゃいそうだからです。
yama
2013年05月22日 20:38
館山・・・
30年くらいまえに、海を見下ろす低い山の裾野に知的障害児の施設を作る動きがあり、たまたま縁があり、何度か鳶の真似事をしに行きました。子供らに陶芸をさせたかったようで、その焼き窯に屋根をかけに行きました。予算がなく、足場パイプが足りず、海から吹き上げる風には耐えられそうもないので、補強方法をメモして渡しました。その後どうなったかは、分かりません。
そちらに行く機会を作り、思い出しながら覗いてみたいです。
それにしても、おなご先生、綺麗だったなぁ。
niwatadumi
2013年05月24日 22:58
yama さん、こんばんは。
そういうオチは大好きです。

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