「おもしろサイエンス 五重塔の科学 」を読みました

ブログ仲間であるSUBALさんこと谷村康行先生の新著・「おもしろサイエンス 五重塔の科学 」(日刊工業新聞社) (→ http://subal-m45.cocolog-nifty.com/blog/FiveStoryPgoda.html )を読み終えたのは、上野の旧寛永寺五重塔を眺めたその夜でした(→ http://niwatadumi.at.webry.info/201304/article_4.html )。おお、もう10日も前だ!忘れないうちに感想文を…。ということでここに記しておきます。

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なぜ今五重塔なのか。それは木造の高層建築なのに地震に強い(地震による倒壊の記録がない)と捉えられており、地震災害の多い日本にあって高層ビルを立てようとする島国根性…いや、土地の有効利用を目指す建築屋さんにとって、興味深い構造物だからです。しかも東日本地震の際に名古屋、大阪など遠方のビルをも揺らした「長周期地震動」は、首都圏直下地震や南海地震など今後想定される地震でも懸念されていて…

などというと、建築業界が五重塔の耐震性能を高層ビル建築に応用しようと注目しているかのように思ってしまいますが、さにあらず、五重塔が地震で倒れない理由はいまだに解明されていないので、応用も何もないのです。
それに五重塔と高層ビルとではその材質のみならず構造も異なります。それは用途が異なるからで、五重塔は外から見上げるモノですが高層ビルは居住空間。けれどもどこか共通する耐震要素があるのかも知れません。

この本は五重塔の構造にかかわる四方山話を技術工学的な目で捉えた、知的好奇心をくすぐる読み物に仕上がっています。
谷村先生が五重塔で本を出すことを知った時点で五重塔に関して全く興味のなかった僕でした(日光東照宮を訪れた際に、拝観料が高いということで中に入らなかったくらい、興味がありませんでした…)が、何のイメージも湧かないわけではなく、寺社仏閣が古代神話の名残でありしたがって神たる宇宙人への憧憬たる象形(わかりにくい表現で申し訳ありません)であるという非科学的思考から塔はロケットだと短絡する程度のことはできました。
けれどそんな非科学アタマでは拙かろうということで「五重塔はなぜ倒れないか 」(上田 篤:編、新潮選書)で予習したのです。そのせいで(?)「五重塔の科学」がとても平易に書かれていることが判りました。
前者は専門誌に掲載されるような固い文が多く、また無駄に詳しい(僕にとって、ね)感じがしました。ただ、表紙をひらいて最初に五重塔の外観図が部位名称付きで描かれていて、本文を読む進む際に利用しやすかったのと、部材名称の読みがローマ字で記されていたのは便利でした。

本書「五重塔の科学」の僕にとっての真骨頂は第4章26話「メンテナンスと技の伝承」でした。
僕がメンテナンス会社に勤めているからかも知れませんが、非破壊検査にかかわる者としても、長持ちする構造物には興味をひかれますね。

そんなふうにこじつけずとも、「おもしろサイエンス」という視点であまりに日本的な建造物・五重塔にまつわる蘊蓄(うんちく)に耳を傾ける、そんなひとときをゴールデンウィークの一角に計画するのもいいかも。




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著者谷村康行(著)出版社日刊工業新聞社発行年月2013年03月ISBN9784526070495ペー

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この記事へのコメント

天使
2013年04月18日 15:49
オー 谷村先生の新刊が出たのですね。五重の塔は幼稚園の頃遠足で初めて見たはずですが覚えていません。小学生になって初めて存在に気が付きましたが、旅館かなんかだと思っていました。老舗建造物だと悟ったのは中学生になってからだと思います。早速注文しなくては。
さて拝観料が高い日光東照宮は業界の寄合で一度だけ行ったことがあります。関西人としては、敵である家康の施設に赴くのはどうかと思われますが、東照宮以外の日光はなかなか侮れません。
大魔王
2013年04月21日 09:00
ヘー・・・・・・五重塔も置くが深いんですね。
日本の神社建築なんか見ると,釘を使わない継手構造ですね。地震で発生する構造物に対するモーメントを各継手で吸収しちゃうんですかね。日常的には重力方向の負荷で安定状態なんでしょうね。昔の神社仏閣の柱なんか見ると必ず継手(外の切り口からは中身が非常に難解な)が入ってますね。最近は内部探査方が進んで殆どの継手の形状が解明されてますよね。20~30年ぐらい前までは謎の継手が結構あった記憶があります。探査なんかせずに切り口だけでウンウン考えてた方が面白いのに。
松平は関西の敵なの?大阪は徳川直轄じゃん。江戸なんて太田道灌以来でしょ。織田も木下も松平も三河の地下侍で織田が比較的身分が上なのかな。いずれにしたってあの辺でミャーミャー言ってたんだから関西人じゃぁ無いよね。日光東照宮に偏見を持つのは止めましょう。私個人としては陽明門はキライ。
風邪を引いた。家庭内に入れ替わり立ち代り風邪引きが1ヶ月以上いれば予防しきれない。
家族に言いたい。お前たちは小学生か!さっさと治せ!
niwatadumi
2013年04月22日 21:39
天使様大魔王さまこんばんは。東照宮は出張現場帰りに作業着(ツナギ)で参道を歩きました。なお、館山は那古の崖観音には左甚五郎の欄間彫刻があります。消防法的に大変マズイ(?)位置に建造された社です。

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