レントゲンフィルムで日食観察を

金冠日食まで1週間、皆様におかれましては日食観察メガネなどお買い求めいただいたでしょうか。
画像我が家では奥さんとムスメ用にこんなのを買ったようです。







画像ボール紙フレームのメガネタイプがムスメ用で400円弱、アクリル製手持ち式一眼は奥さん用で、800円くらいだそうで…。







非破壊検査屋を標榜する僕の家族がこんなことでいいのか!

仕事中に球形タンクの頂上から海に向かって叫ぼうとしましたが、冷静に考えれば家族だからといって非破壊検査を判っているなんてことはほとんどないのでした。
いやいや、逆に僕の仕事を知っているからこそ、あえて僕の分を購入しなかったのかもしれないですよね。

何を言いたいのかというと、そんな日食メガネを購入するまでもなく、検査屋さんなら放射線検査で撮影済みの真っ黒な工業用フィルムがその辺にナンボでもあるでしょう、ということなのです。

ざっくり言ってしまいますが、鋼のレントゲン撮影フィルム濃度(光学濃度D)はD=2.5~4.0程度を狙ってきます。
濃度=log(照射された光量/透過した光量)= -logT (T:光の透過率)
なので、D=2.5であれば T=0.0032 と逆算( T=1/(10^D) ) でき、JIS T 8141「遮光保護具」(→ http://www.jisc.go.jp/app/pager ) によればこの透過率に対応する遮光度番号は12。D=4.0ならば T=0.0001 となり、遮光度番号は15と16の間ということになります。
で、都道府県教育委員会発行の学校向け「理科実験・観察事故防止の手引き」では、太陽観察時には遮光度13の遮光性能を持つ遮光板を使用しろと言っているらしく、奥さんもそれに従って遮光度13のモノをgetしたようですが、遮光度13の透過率T=0.0012 から計算すると D=2.9 ですから、検査会社の産廃置き場をひっくり返すとその辺の濃度範囲に黒化したフィルムは手に入るでしょう。

なお、濃度薄めの使用済みフィルムしかない場合は、アーク溶接用の遮光フィルタを2枚重ねで濃度アップさせる手を応用すればいいですね。ちなみに遮光度6+遮光度8だと(6+8)-1=13 となります。

さあ、検査会社の皆さん、近所の小学校に、使用済みレントゲンフィルムをプレゼントしに行きましょう。通販でも品薄状態らしいですからね。ノンディシールを貼っておけば最高(シールはパソコンで自作かな?)だね。

何にせよ、5月21日月曜日、朝から晴れることを祈りましょう。





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この記事へのコメント

yama
2012年05月16日 19:22
どうするか迷っていました。
遮光面、日食観察メガネ購入のいずれかと。
新たな選択肢が増えてしまいました。
濃い目のフィルムが好きな私ですので、D=3~4位のフィルムは山積みです。
いっそ、ブローホールなりに穴をあけて、ピンホールカメラぽく楽しんだりして・・・

計算式、RT3の更新が近づいていることを実感しました。
先日、WES1級の更新講習で、新しくなった溶接会館に行ってきました。
コンクールのチャンピオンの現場溶接も見ました。うーん、という感じです。日頃厚板を溶接していない人に無理にさせたのかなぁ、と思いました。
アークと、半自動の使い分けのようです。建築では先ずお目にかからないビード外観でした(良し悪しではなく)。
溶接者の経歴等の表示はあるのですが、使用溶材の説明はありません。
また、2階に上がっていく階段脇の鉄骨の外観が汚いこと。何か意図があるのかと、解答用紙のコメント欄に書き込みました。
niwatadumi
2012年05月16日 22:54
yama さん、こんばんは。
観察メガネは品薄で、しかも紫外線赤外線を遮る効果の乏しいバッタ物もあるとか…。やっぱ検査屋はレントゲンフィルム、溶接屋は遮光面でしょ?
なお、太陽を見るためのフィルム濃度ですが、僕の経験で言うとD=3.0では暗いかな…。母材を透過して青みの残っているあたりを2枚重ね、というのがおススメです。
僕の職場にはシャーカステンも濃度計もないので、適正濃度がいくらなのか断言できなくてスミマセン。
この場を借りて、どなたか実験してくれることを希望します。

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