朽ちる一形態  ― ナットの層状錆 ―

画像松かさでもクリンクルクッキーでもありません。錆びて膨れたユニクロナットです。当然ながら既定サイズのスパナはハマりません。膨張程度は場合によっては外観が2~3倍に膨れるといいますから、鉄筋コンクリートに見られる「爆裂鉄筋」現象にもうなずけます。

ナットを外そうにもパイレンやナットクラッシャー(→ http://niwatadumi.at.webry.info/200912/article_12.html )だってチャック(保持)しないので、大変苦労しました。苦労しながらまたいろいろと考えていたのでした…。

3年ほど前にも錆についていろいろ考えていた時期がありました(→ http://niwatadumi.at.webry.info/200811/article_15.html )が、そのときの鋼板表層錆と同様、軽く叩いただけで層状錆が崩れます。そのあとにはやはり黒錆面が現出しました。

表層錆の進行している表面側は大気から酸素供給されカソード部となりますが、その下部は周辺部よりも酸素不足でアノード腐食。そうして次の黒錆層(候補面)との間に「隙間腐食」にちょうどいいだけの隙間ができるまで膨れると、その候補面が腐食の最前線になる…を繰り返すのではないでしょうか。そうして、アノード反応の限界深さがあるのではないでしょうか。

錆についてはモノの本を読みかじった程度で実際に研究なんぞしたことがない僕なので、鋼板表面ではアノード反応している部分とカソード反応している部分があちこちで入れ替わりながら共存しており、直流ではなくて交流のように電流が発生し、その表皮効果のために層状錆が形成されるのではないかと空想していたこともありました…。

もちろん今も理解しているわけではありません。いつか解るときが来ればいいと思いつつ、何年も寝かせている「疑問」が多い。ムスメには、分らないことはすぐに調べろ、とうるさく言うのですが。

組織観察セット・寸法計測セットなどの設備とヒマとカネがあればあとは自分なりに考えている手順によって、この層状剥離というカタチは解決できそうな気はしますけどね…。


なお、「国土交通省 機械工事塗装要領(案)・同解説(平成22年4月)」(→ http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kensetsusekou/kikaisetubi/kikaitosou/tosouyouryou.pdf )に、次のような解説がありました。

以下、引用……………………………………………………………………………

金属は,自然界ではエネルギー的に安定した状態である鉱石等の酸化物として存在している。
酸化物を還元して得られた金属は,エネルギー的に不安定な状態にあるため元の安定な酸化物に戻ろうとする性質があり,…

……………………………………………………………………………引用終わり


深い言葉だなぁ…。
要するにエントロピーが増大するのだけれど、その増大過程にいろいろなスタイルがあるんですね…などと、錆を通して、人生について考えたりする、そんな今日この頃。





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この記事へのコメント

ニコニコ
2011年12月19日 01:00
エントロピー、エントロピー、・・・
エントロピーの概念について時々読みますがいまいち消化出来ていない自分がいます。
還元した不安定な鉄よりも酸化鉄のほうがエントロピーが高いと言えるのですよね。
悪魔
2011年12月19日 22:56
エントロピー・・・・か
中学の頃に読んだブルーバックスに秀逸な説明があったような気がする。「マクスゥエルの悪魔」だったかなぁ「タイムマシンの話」だったかなぁ・・・・・遠い過去なので定かじゃないね。
お嬢ちゃんには「すぐ調べろ」とウルサク言うより,一緒の調べてあげましょう。疑問点について優しく問い質しながら「ワカラナイ」と言う事の質を向上させることが大切です。
TOYOTAのCMでマツコデラックスが出てくる奴やプリウスのCMに使われているBGMが判らなかったのですが,ムカシ水原弘が歌っててCMではちあきなおみがカバーしている「たそがれのビギン」である事が判りました。
以来,ムード歌謡にハマッテマス。
niwatadumi
2011年12月21日 20:34
ニコニコさん、コメントバック遅れてスミマセン。

>還元した不安定な鉄よりも酸化鉄のほうがエントロピーが高いと言えるのですよね。


酸化鉄の方がエントロピーが高いのですが、それは還元(精錬)した鉄よりも「不安定」だからですね。単なる表現の問題かと思います。僕は次のように理解(誤解の可能性もあるのでしょうが)しております。つまり、エネルギーを注いでやれば良いものになる可能性の大きいものがエントロピー大。逆にエネルギーを注いでも良いものになる可能性が小さければエントロピー小。「精錬された鉄」は磨けば光るかもしれませんがそれ以上良いモノに変わる「幅」が小さいですよね。これでいけば僕のようなオジサンは小エントロピーです。ちなみに僕の部屋のエントロピーはかなり増大しておりまして、エネルギーを費やして整頓しないといけないのかと思うとブログの更新も滞りがち…。
niwatadumi
2011年12月21日 20:43
悪魔さん、こんばんは。
ムード歌謡…。僕が生れていなかった頃の曲だと思いますから、判りません…。
さて、昨夜は悪魔さんの仰せに従い、「こどもチャレンジ」の答え合わせをhiwa嬢と一緒にやりました。今日のおとうさんは優しいね、と言われました。
いや、いつも優しいつもりなんだけど…。
マリエ
2011年12月22日 09:38
いつもniwatadumiさんには、マリエの日記をご愛読いただいているので、今度は私がお邪魔します。
衝撃的な写真ですね。。。かなりくいついてしまいました。難しい事はわかりませんが、ナットがあんな状態になる事があるんですね(ほ~)。それを外したなんてさすが職人さんですね~
また面白そうな写真を待っています!
niwatadumi
2011年12月23日 21:33
マリエ さん、こんばんは。
外した、というよりは壊した…というのが正解です。非破壊検査屋を自称しながら、やっていることは壊し屋みたい。スパイクが決まった時の爽快さと似ているような気もします。楽しんでいます。
今後とも非破壊ブログつながりでよろしくお願いいたします。あれ?ママさんバレーブログつながりだったかな…。

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