トルクレンチ、ラチェットレンチ

画像プラント配管などのフランジをボルト&ナットで締結する際、その締付け力を管理したい場合によく使うトルクレンチ。クルマの整備工場でもよく見かけます。
僕が普段使う場面はラプチャーディスクを交換する時くらいなので写真の100N・m程度のトルクレンチで足りるのですが、定修などでは専門の「トルク屋さん」が来てプラント熱交のデカいボルトを油圧装置で閉めてゆくのをよく見かけます。スタッドボルトではトルク締めしている反対のナットが共回りしないように人力も必要で、ちょっと気にかかることもあるのですがそれはまた別の話。

そもそもボルト締結は、ナットを回してゆくことでナット間に挟まれたフランジなどの障害物のためにボルトに引張りの力がかかり、ボルトは伸びようとするのですが、ボルト自体の引張り強さがその伸びに対する抵抗となって逆にフランジなどを圧縮することで締付けることになります。

しかしボルトの締付けが弱い場合には、設備の振動や熱の影響でボルトが緩んでしまいます。定修後の「ホットボルティング」はそうした稼働直後の振動や熱影響を考慮した増し締め作業です。
反対に締付けが強過ぎた場合には、フランジなど締付けられているものが破損したり、あるいはボルトの降伏点を超えて破断に至るかもしれません(手工具で新品ボルトを破断させた馬鹿力はまだ見たことがありませんが)。それ以前にボルトを塑性域まで締付けてしまうと変形して元の形に戻らないため、本来の機能を発揮できなくなるわけです。ボルトが緩まないようにするには大きな力で締付けることがいいのですが、「大きな力」はボルトの弾性域の範囲内でなければならないのです。

ということでトルク管理(ボルトの伸びを管理する「軸力管理」も考え方は同じと言っていいでしょう)に使われるトルクレンチ。しくみは「ラチェットレンチ」の応用ですが、近頃は工具の世界にもデジタルの波が寄せてきております。
トルクをかけた際のシャフトの撓みを歪みゲージで測定し、マイクロプロセッサでトルク値に変換、指示するようです。軸力計には超音波を使った装置もあり、非破壊検査は道工具の世界と隣合わせだと痛感させられるです。

画像なお、僕の近頃お気に入りの一品はこれ。首振り付きのラチェット&オープンスパナ。狭いところで使えます。ラチェット機構のカチカチ感も好きです。











なお、本日のお題はSUBALさんのこちらの記事(→ http://subal-m45.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/2torqueshear-bo.html )からヒントをいただきました。


「日本ブログ村」のランキングに参加中。下のバナーを一日一回ポチっとクリックして応援お願いします。
にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ にほんブログ村 その他日記ブログ ひとりごとへ

この記事へのコメント

天使
2009年10月16日 20:45
軸力計には電磁式もありますね。軸力が増すに従い共振周波数が高い方にシフトする特性を利用しています。
超音波と比べボルト表面の加工が不要という特徴があります。
写真のラチェットもかっこいいですが、私のお気に入りは、メガネ部に六角形の細い棒が埋め込まれていて、ボルトの頭部の大きさや形状に合わせ、棒が凹み、それ1本でたいていのボルトを回すことができるラチェットです。
niwatadumi
2009年10月17日 07:44
天使さん,おはようございます。
くし型ゲージを思い浮かべました。採取した形をシャーペンでなぞるとよくひっかかる目の粗いゲージを。
コピー機で紙に出力した形の影は寸法が微妙に変わるので使えませんでした…。
僕のラチェットはメガネの中にコマを付け替えられるヘッドつきのアダプターがオプションで売られています。

この記事へのトラックバック