アスベストの功罪

今年の定修も終りが近づきました。プラント各所で開放機器の復旧作業が進んでいます。僕の仕事は早々と片付き、今日は来週からの定常業務の準備に取り掛かりました。

さて、プラント配管にはガスケットがつきものです。中でもジョイントシートはよく使います。
『石綿障害予防規則』が平成17年から施行され、スイスのKlinger(クリンガー)社が発明した石綿ジョイントシートも2011年までに使えなくなる関係で、ガスケットというと近頃はすっかりノンアスベスト品に取って代わられました。

アスベストは紡績性がある繊維状の鉱物で、摩擦や摩耗に強く、熱・音・電気などを遮断し、また薬品にも強く腐らないスゴイ材料です。しかも価格が安い。けれども人の肺に侵入するとしつこく残り長い潜伏期間後に健康被害をもたらす時限爆弾のような物質であったために使えなくなってきたわけです。したがってガスケット屋さんが代替品を模索した結果、充填材をゴムで固めたノンアス品が主流になりました。

ところがノンアスベストジョイントシートは、アスベスト品のつもりで締め付けると圧縮破壊を起こし、切れてしまうことがあるのです。

配管のつくりかえ工事は一般にフランジで分割された部分が工場製作され、現場ではフランジ同士をボルト締結するというスタイルが多いため、ジョイントごとの微小なずれが積み重なってきている既設部分とのとりあい部分はときに強引にフランジあわせをすることもあります。そういう箇所は気密試験等で漏れが発生しやすいわけですが、その漏れを止めようと増し締めしてゆくと、ノンアス品はすぐに切れてしまいます。つまり締めすぎたら漏れが拡大するという結果になるのです。で、再びボルトを緩めフランジを開放し、後戻り作業をしなければなりません。

さらにノンアス品はほぼゴム製品なので硬化しやすく、とくに高温では劣化が早いようです。
まだまだアスベストにはかなわないと現場の僕らは思っているのですが、なぜかメーカーでは同等と言っている…。

原発と太陽光や風力発電との関係みたいですよね。




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この記事へのコメント

デハボ1000
2008年11月15日 23:25
確かに持たないんですよね・・・私もかなり前から官庁向けの製品のみノンアスを使っていましたが、これだけは実績用持たないので、メンテナンスサイクルを変えてするしかないでした。
正直いうと、代替する材料にカーボンナノチューブがあるんですが、構造がやはり針状組織で、同じような公害を引き起こし、パッキンには使えないんです。今は多少の漏えいを覚悟で銅パッキンやカーボンコルクを使うこともあるようです。
niwatadumi
2008年11月16日 21:26
デハボ1000さん、こんばんは。
ボルテックスに代えれば?とお客さんに進言してもなかなかおカネの面でうんと言えないようで。メンテ屋泣かせではありますね。

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