袖ヶ浦在住非破壊検査屋

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help リーダーに追加 RSS ボルトの谷を浸透探傷する

<<   作成日時 : 2008/04/12 20:07   >>

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画像今日はタイロッド(機器の連結棒です)先端にねじ切ったボルト部分の浸透探傷をしました。

材質はSUS304で、直径は1/2インチ、ピッチは2mm強。このボルト部分が曲がってしまったので矯正したのですが、割れたりしていないか確認のための探傷です。

SUS304なので(磁化できない)、というよりねじなので(隅角部に磁粉が凝集して模様の判別が難しい)、というより設備がないので、磁粉探傷は困難です。だからPT。それでもねじの谷に入り込んだ浸透液を拭き取るのは大変です。

画像タコ糸(水糸)を用意しました。布ウェスでは届かない谷の除去処理をこいつでやろうというわけです。

純綿で、径は1mm弱(同僚の家にあったものを持ってきてもらった)。試みに1.2mmも購入しましたが、山の頂上から8合目程度までしか入り込みませんでした。やっぱり細いボルトには細いタコ糸ですね。

方法は簡単、ウェスで山の頂上をざっと拭き取ってから、タコ糸を2〜3ピッチ軽く巻きつけてひっぱりながら拭き取ります。巻きつけて吸い取るだけでは除去不足になりがちです。

画像テクニックとしては、強く拭き過ぎないこと。タコ糸も綿棒ほどではないにせよ、ほつれた糸くずが付着することもあります。こちらの写真は除去過剰気味(許容範囲でしょう)。
なお、洗浄液は使わないこと。根気よくひと山ひと山(ひと谷か?)丁寧にやること。スプレー現像剤は遠目から吹き付け、塗膜を厚くしないこと。
SUSならまだ楽ですが、少々錆びた炭素鋼ボルトだと前処理が困難です。



昨日からニュース
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080411k0000e040084000c.html
で話題になっていますが、また金属疲労によると思われる事故が発生しました。外れたタイヤで事故を誘発したトラックのホイールボルトも、せめてこの程度の点検でもしておけば折れてホイールが外れるなんてこともなかっただろうに。点検のタイミングは難しいですけどね。

僕の父親と同じ(引退しましたが)、バスの運転手さんが事故で亡くなったとのこと。ご冥福を祈ります。





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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。貴重なお写真ありがとうございます。勉強になりました。昨日の事故は朝日新聞の1面でした。荷物の積み過ぎで運転手や会社を責めるだけでなく、技術的な解説もきちんとお願いしたいです。
KADOTA
URL
2008/04/12 23:13
なるほど、こういう手法があるんですね。参考になりました。
鋳造方案などはノウハウとして会社ごとのPLANがあるものだそうですが、やはりこういう測定法のノウハウって一家相伝みたいなものなんですか。(本とか論文という形でもあろかもしれないんですが)
デハボ1000
2008/04/13 04:02
こんにちは
なるほどタコ糸ですか。巻いといてするすると抜くのですかね。
実際にはやったことはありませんが、講義では「ボルトの谷の余剰浸透液をふき取るとしたら、糸か何かでやるしかないよな」といっています。今度授業でやってみましょう。
ボルトの谷部を探傷するなら、水洗性浸透液を使って、除去は水型エアゾール洗浄液を使う(ウエスで軽くふき取った後直接吹き付ける)のが良いように思います。
水洗性浸透探傷試験は溶剤除去性浸透探傷試験に比べて検出感度が落ちる、というのは教科書にも書いてある定説ですが、本当なのか確認したことがあります。一応教科書を尊重して「遜色ない」と結論しましたが、形状の複雑なもの表面が粗いものでは水洗性の勝ちですね。
作業スピード・探傷面のコントラストだけでなく小さいきずの不検出があるか、という点においてもなのです。規格等に方法が定められている場合はともかく、自主検査ならば試してみる価値はあると思います。
SUBAL
URL
2008/04/13 09:23
KADOTAさん、コメントありがとうございます。ねじの新書も期待しています。
ねじの谷の割れの有無を検査するにはSUBALさんが紹介して下さった水洗性浸透探傷試験が正攻法です。浸透液の過度な除去にさえ気をつければ、溶剤除去性の浸透液をタコ糸で吹き上げる方式よりも手間がかからないでしょう(僕はこれをねじで試したことがないのですが)。
niwatadumi
2008/04/13 16:41
デハボ1000さん、こんにちは。
鋳肌にも水洗性が正攻法です。ただし大型のケーシングなど油まみれの鋳物機器は前処理に時間がかかります。ボルト程度であれば揮発性溶剤に漬け置き後、乾燥させるのですが。
今回紹介したような一種の「荒業」はどこの検査会社でも受け継がれているのだと思います。ただし、門外不出。そんな情報がこの場で紹介しあればと常に思っているのですがなかなか難しい…。僕は非破壊検査そのものの会社にいるわけではないので開けっぴろげです。
niwatadumi
2008/04/13 16:42
SUBALさん、水洗性の紹介ありがとうございます。

ボルト谷の拭き取りですが、するする、とは抜けませんね。谷底はタコ糸の径より狭いはずで、食い込んで滑りは悪くなります。巻き付け2〜3回、根気よく、というのはその辺に理由があるのです。
なお、水洗性でないと困る検査対象もありますね。医薬品や樹脂など異物混入を嫌う製品にかかわる機器です。溶剤除去性浸透液は完全除去がホントに困難ですから。
今回の突発検査で水洗性セットも常備すべきと思いました。明日早速注文するつもりです。
niwatadumi
2008/04/13 16:42

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